2019年度
ザ・京都レジデンス御所東
［ 京都市上京区／集合住宅 ］
概要
現地は京都御苑に近接し、京都迎賓館の間近に位置する。本件は“住む人”と“界隈”をもてなす 「迎賓邸宅」と位置付け、迎賓館の設計思想「庭屋一如」を踏襲した集合住宅である。御苑の緑陰が宿す静寂や厳かさ、この地の歴史文化 と交響する建物計画と、京都ホテルオークラの洗練されたホスピタリティにより、「迎賓」に相応しい邸宅を目指した。
- 背景
- 本計画地は、京都御苑を望む御所東エリアに位置し、貴重な文化財も出土したかつての公家町である。計画地西側は京都御苑の緑陰と静寂に寄り添う梨木通、東側は寺院が建ち並び閑静な街並みを描く寺町通に面する。 格調ある建築物と手入れの行き届いた植栽が施され、御所・御苑の緑と呼応して良好な景観を形成している。また、この地区は 「歴史遺産型美観地区」に指定されており、高さ規制による容積率の抑制や意匠上の制約などから、経済性優先とは一線を画す独自 の商品企画の実現が必要であった。この希少性を活かすべき地に、「環境・歴史・文化という資産の継承」と「ここに建つべき、 建物、住まいとしての格の創造」を追及した。つまり、本物件では、京都御苑近接という深い緑と静寂に包まれた地を得て、 この地を次代に継ぐべく導き出した「建築」と「もてなし」の結晶を作り上げたのである。
- 評価の
ポイント
- 京都御所に近接する立地に建つという責任に対して誠実に応答した点をまず一番に評価した。 外観デザインは奇をてらわず水平性を基調としているが、単なる装飾的な水平性ではなく庇や軒として丁寧にデザインしているのがよいと思った。 また内部空間としても水平の軒を活かす大開口部を各住居に導入している。水平性のデザインを正面だけでなく四周に対して行っている点、 庭の仕上がりへの丁寧なこだわりもよいと感じた。静かなデザインだが地域の風景のベースになるグッドデザインである。
物件
コンセプト
コンセプト
“住む人”と“界隈”を
もてなす「迎賓邸宅」
- 1.「静寂閑雅」京都御苑と梨木通が醸し出す静謐さと、寺院の風雅な佇まいと呼応する建築デザイン
- 2.「庭屋一如」京都迎賓館に倣う庭園と建築・周辺環境との調和を目指した空間デザイン
- 3.「迎賓邸宅」ここに建つべき建物としての格の創造、もてなしの美意識のデザイン、邸宅としての唯一無二性
